童貞社員
----/--/--
「ぼぼぼぼぼ僕は」
目は大きく見開かれ、逝っちゃっている。
皆が首を横に振り、両手がW字形に開いた。
入社式での新人のあいさつに思わず舌打ちしたのは人事のN子だった。
『これはやりがいがあるわね』
緊張というが金張の間違いではないか。
ちゃんと抜いているのかしら。
社員名は隠ぺいする意図はないが伏せておく。ただし名簿に登載することになっていてその名簿は童貞社員名簿という。月一回必ず社長に報告することが義務付けられている。もちろんマル秘。報告事項は主にその素行、勤務態度など。だが、一年以内に脱童貞をさせることというのが条件となっていた。
十年選手の中間管理職。
「おちんぽを立たせてなんぼだ十年生」
N子は思いも新たに直属の新人を名簿に載せた。
「新人。早速お仕事よ」
「えっ、残業ですか」
「ってわけじゃないんだけど」
なら、帰りたいって顔をした。
「新人の女性に一般的なマナ