朝子へのコンプレックスと湧き出た愛情
2013-11-04
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小学校の同窓会の葉書が来たのは、11月のことだった。
それは俺が卒業した小学校ではなく、卒業前に転校した、その転校する前の小学校の同窓会だった。
俺はなんとなく落ち着かない気分でその葉書を見ていた。
転校する前の小学校を思い出すとき、すぐに思い出すのは朝子のことだ。
背が高く、運動もスポーツもできた朝子。
音楽会ではピアノを弾き、習字では賞状を何枚も取り。
朝子は典型的な、優等生だった。
今でも思い出すのは、体育の時間に男女混合でサッカーをしたときのことだ。
同点で終わったので、最後はPKで決着をつけることになった。
キッカーは、朝子と俺だった。
3本勝負のうち、朝子はすべてを決めてみせた。
そして俺は、初めの一本だけしか入れられなかった。
プレッシャーに負けてしまったのだ。
女子たちがなんとなく馬鹿にしたように俺を見た。
俺は朝子にもう一度だけ勝負してくれと言い、朝子も面倒くさそうにしなが