合コンスキーに行こうよ
2013-07-26
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もう10年ほど前の話。
バイト先の短大2年生ユミに、事あるごとに「飲みに行こう」「ディズニーランドに連れてけ」と誘われていました。
ずっと後で判ったことですが、ユミは俺に気があったのでした。
ユミに言い寄る男はバイト先にも少なからずいました。
原宿で大手芸能プロダクションにスカウトされたという話も、あながち嘘ではないのでしょう。
でも俺は、少し整い過ぎたユミの冷たい顔立ちに、全く興味がなかったのです。
そんなユミを少し鬱陶しく思っていたある日、たまっていた皿を洗っていると、「合コンスキーに行こうよ」と、いつもの調子で屈託なく話しかけてきました。
全く気が進まなかったのですが、横でそれを聞いていた遊び人の先輩とユミに思いを寄せていた後輩がその話に乗り、俺は無理矢理連れていかれることになってしまいました。
しかし、いきなりスキーでは辛いので、ちょうど一週間前の土曜日、渋谷の居酒屋で顔合わせをすることになりました。
現れたのは、ユミの同級生ふたりでした。