「だめ、スイッチ入らない」

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2010-07-19

「だめ、スイッチ入らない」

汗だくの顔をこっちに向ける弥恵。眉毛が下がって申し訳無さそうなその表情もかわいい。
残念そうにクーラーのリモコンを棚に置くと、また僕の横にちょこんと座った。
「今からでも、ひろくんの家でやる?」
「え、でも……うーん」
言いながらも夏休みの友をカバンに詰め込む弥恵。たしかに僕の部屋には
今年取り付けたばかりの新品のクーラーがある。でも僕の部屋ではだめなんだ。全然だめなんだよ。
「ひろくんの家、むり?」
「でも、あの、その……」
正直に言えばいいのだろうけど、まだ付き合いだしたばかりの僕にはとても恥ずかしくて言えない。
もじもじしていると、その

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