優良さんと山田1
2008-10-06
優良は満員電車で揺られていた。
真から残業用の書類を会社まで届けてほしい、との電話がありそれを届けた帰りである。
だが、普段は電車を使うことがない優良は、ラッシュの凄さを知らなかった。
バーゲンとは違った人の波にのまれそうになった時、
横からグイと手を引っ張られ、列車のスミに押し込まれた。
思わず声をあげそうになった優良だが、引き込んだ人物の顔を見て安心する
「・・・山田くん?」
「や、大変そーでしたね。おねーさん」
「どうしてこの列車に?」
「それは俺の聞きたいことなんすけど。いいや、俺はこれからバイトっす」
「ああ、ゴメンね。私は・・・」と事情を説明する優良。
「真さんも大変っすね。おねーさん最近寂しいんじゃないっすか?」
「ええ・・・でも、真さんもお仕事頑張ってるだから我慢しないと」