初めて見られた

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2009-11-03

 その日、僕は学校の授業が終わると一目散に家に飛んで帰って来た。

「ただいま……ハァハァ」

 学校からずっとダッシュしてきたので、家に着いた頃には息が切れ切れだった。

「お帰りなさい、今日は早かったのね?」

「うん……まぁ」

 いつもより早く帰ったので、母親が訝しんでいたが、今はそんなことはどうでもいい。

 僕は手洗い、うがいをし、喉を潤すためにコップに三杯のジュースを飲み干してからその時が来るのを待った。

(そろそろか……)

 僕は、壁に掛かった時計に目をやってそう思った。

「散歩に行ってくるね」
「行ってらっしゃい(キタ……!)」

 今は、夕方の五時。母は、これから一時間程は犬の散歩に行ってるだろう、その間が勝負だ。

 僕は、母親が完全に外出したのを見届けると、大急

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