世界の平和と神様の愛
2011-05-12
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「ごめんなさい…ごめ…なさ…ごめん…い」
まだ小さなその少年は口の中で何度も呟いていた。しかしそれは言葉になることなく微かな吐息となって少年の乾いた唇から漏れるだけであった。
少年の身体は同い年のそれよりも遥かに痩せて今にも折れてしまいそうだった。頼りない皮膚のあちらこちらにおよそ思い付く限りの傷が染み着いている。そのほとんどが癒えることなく次の傷になっていた。
最後になにか食べたのはいつだっただろうか
少年は自分の両親をみた。彼らは呼吸をするように日常的に少年を殴り痛めつけ時々思い出したように彼らの食べ残しを少年に与えた。
身体の隅まで痺れている。この身体が動く事はもうないだろうと思った。視界がぼんやりと霞んで色を失っていた。
少年は自分の最後を悟っていた