安宿で話しかけてきたどこかおかしい女
2014-04-20
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ようやく7年がかりで地方の三流大を出たけど、まともな就職もない。
住んでるアパートも近々建て替えるってことで、じきに追い出されることになるし。
郵便局で有り金を全部おろし、半ば自暴自棄で旅に出た時のこと。
時間は無限にあるし、心は病んでいても、体は健康そのもの。
金がなくなりゃ肉体労働のバイトでもすりゃいいやなんて考えてた。
目指すは北海道。
別にあてもなかったけど、なんとなく北に向かいたかったんだよね。
季節は春だし、雪もないだろうし。
茨城からフェリーに乗って、夜の北海道に初上陸。
歩きとヒッチハイクで左回りに動き、途中短期バイトをしたりして、3週間ほどで美瑛にやってきた。
今までどおり安宿に入り、コッヘル(鍋)でご飯を炊いて晩飯を作っていた。
ゴールデンウィーク前の北海道は、まだ旅行シーズン前で、安宿での宿泊者も少ない。
今まで泊まってきた宿でも泊まり客が俺1人ってことも多々あった。
しかし、今夜は