ゆず湯

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2007-12-23

もともと貧乏だったのに、俺が9歳の頃に大好きだった親父が死んだ。
妹がもうすぐ産まれると言ってはしゃいでたのに、働いていた工場で機械に挟まれて死んだらしい。

それから2ヶ月後に妹が産まれた。
親父が生きている頃の母は専業主婦だったが、妹が産まれてからすぐ職を探した。
妹を保育園に行かせるお金がなかったから、おばさんの家に預けて、スーパーでレジを打っていた。
「おばさんの家が近くて、よかったね。」と母が何度も言っていたのを覚えている。

俺が13歳、妹が4歳になった頃には、親父の遺産も底を尽きて、家計が厳しくなってきた。
母の収入だけじゃ食費もままならない状態で、ご飯は朝と昼の2食だけ。
母はかなり痩せ、以前よりやつれていた。
腹は減るけど、不幸だとは思わなかった。幸い妹は元気で、俺の学校での成績はよかった。
俺はいつも母に「大きくなったら大手に勤めて、母さんに楽させてやるからな。」と言った。
それを聞いて母は、いつも「ありがと

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