面接試験
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真理は、朝から心が弾んでいた。24歳で結婚して5年、29歳になる今日まで、ずっと家で主婦家業をしていた。それがパートの仕事を探しはじめたのが半月前。20社以上、面接に行ったのだが、どれも門前払いも良いところだった。
それが、今日はかなりの手応えを感じていた。数店舗あるスーパーの売場の仕事なのだが、手違いで、給料を一桁少なく出していたのだ。いくら不況で、職を探すものが多いとはいえ、時給80円では、何か怪しい仕事と思われても仕方がないのだろう。
ところが気になった真理が、試しに電話してみて、そういった事情がわかったというわけだ。
不況の中、特に特技のない真理が職を見つけるのは無理だと夫には笑われていたが、その鼻をあかすのも、もうすぐだ。
職場は、デパートの下着売場だった。
「下着を売るからには、下着のことを良く知った人でないと、つとまらないんですよ。お客様に勧めるわけですからね」
面接の面接官は、そう言った。
「では、今つけている下着を見せてもらいます」
「えー」
思わず真理は、面接の場にふさわし