腹痛の女の子を介抱するふりをして
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友達と飲んで酔っ払って、駅からいつもの道を通って帰ろうとしたら、道の前の方にしゃがみこんだ女がいた。
女はこっちに気付くと立ち上がって少し歩いた。
俺がその女を追い越して、しばらくして後ろを振り向くと、やっぱりまたしゃがみこんでいた。
これは、おかしいと思い、近くに寄って話しかけた。
「どうかしましたか?」
「ちょっとお腹が痛くて・・・」
見ると、若干太ってはいるが、そこそこ可愛い。
周りには人も歩いていたこともあり「家はこの近くですか?もし近くなら送っていきましょうか?それともご両親を呼んできましょうか?」と聞いたところ、「家はその先ですけど、一人暮らしなので誰もいません」と答えた。
その時、俺の中で何かがプチンと切れた。
「そんなに痛かったら歩けないでしょ。僕も家あっちの方だから、肩くらい貸しますよ」と、努めて爽やかに言った。
歩きながら彼女のことをいろいろ聞いた。
彼女は“ゆうこ”という名前で、近くの大学に通う1年生で、静岡から出てきて一人暮らしをしている。