乾いたレモンも
2010-08-01
バーテンが近所一番の力持で、いつでも1000ドルの賭けをやっているというバーがあった。
その賭けとは、バーテンがレモンをグラスに思い切り絞り出し、そのレモンをお客に渡す。
レモンからさらに一滴でも果汁が絞れるお客がいたら、賞金がもらえるということだった。
重量挙げの選手や、港で荷役作業をしている者も含め、たくさんの人が挑戦したが誰も成功しなかった。
ある日、分厚い眼鏡をかけ、野暮ったい服を着た小男が入ってくる。
この痩せこけた男が、小さい、きーきーした声で言う、「その賭けをやってもいいですか」。
周囲の笑い声が静