忘れられないこと
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今から三十数年前の話です
長男が生まれて1年くらい、私が26歳の時でした
子供が生まれて働くこともできす、主人の安い給料では生活ができません
ちょうどその時、少し遠いのですが学生アパートの住み込み管理人の仕事を紹介されました
主人勤め先はずいぶんと遠いのですが、通勤費も出るし、家賃は不要、多くはないですが管理手当も出ます
背に腹は代えられずに管理人になることにしました
学生さん達は全員男性ですが、いい方ばかりでちょっと安心しました
毎日の育児と家事にいい加減うんざりしていましたが、自分よりも若い学生達を見ていると少し気が紛れて
若返るような気がしました
アパートの学生に4年生のS君がいました。S君は私のことが気になるのか、いつも視線を感じていました
S君は端正な感じの顔立ちでいかにも頭がいいような学生さんでした
自分の学生時代にこんな人と出会えたら、違った人生だったかもねなんて思いそうな男性です
そのS君と思いがけないことで親しくなることに