終戦記念日にあたり

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2006-08-15

 天国のあなたへ   柳原タケ


  娘を背に日の丸の小旗をふって、あなたを見送ってから、もう半世紀がすぎてしまいました。

  たくましいあなたの腕に抱かれたのは、ほんのつかの間でした。

  三二歳で英霊となって天国に行ってしまったあなたは、今どうしていますか。

  私も宇宙船に乗ってあなたのおそばに行きたい。

  あなたは三二歳の青年、私は傘寿を迎える年です。

  おそばに行った時、おまえはどこの人だ、なんて言わないでね。

  よく来たと言って、あの頃のように寄り添って座らせて下さいね。

  お逢いしたら娘夫婦のこと、孫のこと、また、すぎし日のあれこれを話し、思いっきり甘えてみたい。

  あな

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