御伽噺(宮大工番外)
2008-11-17
みんなが新年会に向かった後、私と沙織さんは
縁側で甘酒を飲みながらのんびりとお話をしていました。
その時、私が気になっていたあの「少年」はオオカミ様とは
どんな関係なんだろうかという事を聞いてみたのです。
沙織さんは少し驚いた様に私に顔を向け、
なんともいえない不思議な微笑を湛えました。
そして、語ってくれたのです...
「美神さん、これはただの御伽噺、として聞いてくださいね。
私がどこかで聞いた、どこか知らない世界の夢物語...」
はるか昔、天界におわす大神様に仕える少女がおりました。
大神様は天界を統べる光の神であり、
大いなる慈悲の心と厳しい律の心を併せ持つ偉大な方でした。
少女は幼き頃より大神様の教えを受け、厳しい修行を受けてきたのです。
そして、その少女を見守る青年が一人。
彼は少女の幼馴染であり、本当の兄妹の様に一緒に育ってきました。
そして、彼と少女は伴