いもうと
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よく晴れた朝。通勤時間の過ぎたこの時間はひと時の静寂がやってくる。
いつもと同じように見えたが、今日は少し違っていた。
とある家の前で4人の人間が慌しく動いている。
「じゃあお留守番お願いね、お土産買ってくるからね。」
「ああ、任せといてよ。ゆっくりしてきてよ義母さん。」
彼の名は勝也。近所の学校へ通う普通の高校2年生である。今日は両親が少し遅めの
新婚旅行に出かけるため
見送りをいていた。
「じゃあ行ってくるわね。雫も良い子にしてるんですよ。」
「はーい、ママ。」
雫と呼ばれた少女は勝也の妹だ。妹といっても血は繋がっていない。
勝也の父が1ヶ月前に再婚し、雫は相手の連れ子だったのだ。
勝也は初めて会ったときから「お兄ちゃん、お兄ちゃん」となついてくる雫に好意を
覚えていた。
そんな時、両親共留守にするというこんなチャンスが回ってきたのだ。
(1週間楽しみだ。)
そんなことを兄が考えて