艦長回想録

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2006-03-14

 無限に広がる大宇宙… その深淵から一隻の宇宙戦艦が地球へ帰還する為に向かっている。
 
 今、ヤマト艦橋の最上部にある艦長室の展望窓正面には赤茶けて干からびた地球が急速に大きさを増して迫りつつあるのが見える。

 「地球かあ…」

 その無惨な地球を、艦長である私沖田十三は宇宙放射線病で余命いくばくも無い体をベッドに横たえ、夢うつつで眺めている。
 そしてこれまでの激闘と苦難の道程に思いを馳せていた。

 …そう、あれはこの苛烈な航海のどのあたりの頃の事だっただろうか。

 「艦長! アナライザーったら私が当直外でスカートの私服を着ていると必ず捲るんです! 何とかして下さい!」

 艦長室に入室するや否や休息を取っていた私にいきなりまくし立てたのは森雪であった。

 森雪。我が宇宙戦艦ヤマトの生活班リーダーであり、戦闘艦橋においてはレーダー担当でもある才媛である。
 尚かつ絶世の美形で

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