トキメキをありがとう

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前日の夜、眠れませんでした。午前3時、こっそり起きてソファでボーっとしたりして。単身赴任中の主人のいない部屋。
すぐに朝。土曜日の朝。一人息子を支度させ、私立の幼稚園に自転車で送り、「夕方におばあちゃんが迎えに来るからね」と言い残し、自宅へ。父を亡くし、近くに移り住んだ母には、「コンサートに行って来るからね」、と言ってある。
シャワーを入念に浴び、髪を整え、お化粧をして。彼からのマニュキア、香水、そしてピアス。下着も彼からのプレゼントのもの。左薬指の指輪も、彼とのペアリングに替える。洋服を着て、鏡を見て納得。彼の大好きだと言う私の丸い膝の見える膝上のフレアスカートと薄い素肌感覚のストッキング。そして、サンダル。
身支度を整え、手作りのお弁当を作る。彼の好きな玉子焼きには、愛情を込めて作った。お弁当を鞄に入れ、部屋を出る。
歩いていて、すでに鼓動がする。少し息苦しくさえ感じる。駅まで歩き、電車で向かう。
ドキドキする。視線が定まらない。頭の中は、彼のことばかり考えている。
駅前の公園の隅、彼の車が止まっている。


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