猫間引きの話
2010-05-05
あれは、今から30年も前のこと。私がたしか小学5年生の夏、だったと思う。団地の広場で友達数人と遊んでいたときのこと。
余談だが、その広場には首塚と胴塚とよばれる、小学校の校庭にある築山程度の小さな二子山があった。
樹木がたくさん生えていて、樹の根を人骨にたとえておばけごっこ?をしたり、自転車でてっぺんから滑り降りたり、虫をつかまえたりして遊んでいた。そこは古戦場のあとで、その塚には本当に、戦いに敗れた兵士の首と胴が別々に埋められていたのだ。そのいわれを記した立て札には「この塚に登ったり、遊んだりしないでください」というようなことも書いてあった。
とまあ、そういう恐ろしい広場で元気に遊んでいた。のどが乾いたので、隣の敷地にある団地の集会場に水を飲みにいこうと歩いていると、同じクラスの女の子が小さな紙の箱と小さなシャベルを手に歩いてきた。
その子は団地の子ではなく、ちょっと離れた場所の農家の子だった。どうしてこんなところにいるんだろうと、ちょっと不思議だった。私もいっしょにいた友達も、その子とは遊んだことがなかった。いじめら