寄り道に誘う彼女からのメール
2013-11-19
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「あっ。お疲れさま」
仕事場のビルを出て帰宅するため駅へ向かっていたボクは、曲がり角で突然声を掛けられて吃驚した。
それは同じフロアで働く娘だった。
席は確か、ボクらの背中を見る位置にある隣のシマだったように思う。
「あれっ、お疲れさま。君も?珍しいねぇ」
「ええ。ふふっ。ちょうどキリがよかったので。・・・いつも遅くまで、お仕事なさってますよね?」
そう言った彼女もほぼ毎日残業していた。
夜遅くまで女の子を働かせて良いのかなと思いながら、別会社ということもあり、余り深くは考えずにいた。
同じフロアで働いてはいても様々な会社の集まりなのである。
「君こそ。いつも遅いようだけど、大丈夫なの?」
「わたしは、もう、慣れちゃいました。うふふっ」
そういえば以前のトラブル対応時にも彼女はいた。
徹夜作業メンバーに紅一点だったので、よく憶えている。
噂話には疎いボクだったが、どうやら彼女が婚約したらしいという話を小