魔界の戦士 陵辱編

開く
2006-08-03

魔界の戦士 陵辱編



 西暦1999年7月。
 それは、なにか得体の知れぬものであった。
 気の遠くなるような長い時間をかけて、何処ともしれぬ遙か宇宙の彼方より飛来したそれこそが、古の賢者がその著作の中で予言した未来だったのかもしれない。
 光はおろか、あらゆる電磁波にすら干渉することなく、秘やかに地球へ忍び寄った、全く不可触の純粋な精神エネルギー体は、星の瞬きが支配する荒涼として凍てつく真空の世界から、高層ビルディングが連立し、コンクリートとアスファルトにがっちりと塗り固められた大地へと舞い降りた。そして、そのまま音もなく地中深くに沈みこむと、ふたたび、今度はつかの間の眠りについた。その土地で安寧をむさぼる一千万以上の人々の誰一人に知られることもなく。

 その翌朝から、人間の世界は少しずつ様相を変えはじめた。
 まず、歴史の流れの中に忘れ去ってきたような奇怪な事件が、各地で頻発するようになった。狼憑き、吸血鬼、ポルターガイスト、人喰い鬼、さまよい歩く死人…、今

お勧めの体験談