去り行く先輩を見送る俺の妻
2013-08-22
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忘年会の帰り道、1つ年上の先輩と歩いていて女房の話になった。
結婚は俺の方が早かったのでその点では俺の方が先輩だったんだけど。
その先輩が新婚にもかかわらず、俺の嫁のことをあれこれ羨ましがるんで「そんなに言うんならとっかえましょか」と言ってやった。
すると「え?ホントにいいの?マジ?マジ?」って、真顔で言ってる。
俺も酔った勢いで
「いいですよ。てか先輩はいいんすか?」と返すと、
「ぜーったい、Kの嫁さんの方がいいわ」だって。
これにはかなり引いたが、自分の女房を褒められて悪い気はせんかった。
とここまでは、酔っ払いのたわ言だったのだが、数日後、俺がしでかしたとんでもない失敗で先輩に大きな借りをつくってしまった。
へたすりゃ、即クビもやむを得ない状況だった。
それを先輩が盾になってかばってくれたのだ。
俺にはそんな先輩に返せるものなど何もなかった。
せめてもの償いのつもりで、先輩とその夜飲みに行った。
先