彼女と出会ったのは高校の頃だった。
2012-09-04
彼女と出会ったのは高校の頃だった。肌が白くて目が大きくて笑顔が可愛くて、ほとんど一目ぼれだった。
小柄で華奢で童顔で、小動物みたいな可愛さだった。
告白にOKをもらえたときの嬉しさ、初めて手をつないだときのドキドキは忘れられない。
小さな手だった。指なんか、本当に細かった。
別々の大学に進学しても交際は続いた。大学生になっても彼女はつややかな黒髪のままだった。
お互いに就職が決まったのを機に婚約、そして24歳の時に籍を入れた。
地味好みな彼女が希望したので、式はしなかった。
しかし結婚後の俺は不幸続きで2度転職し、たどりついた会社は零細。
その零細も、働き始めてから半年で倒産してしまった。
再就職はなかなか決まらず、失業保険の給付が切れるのをただ待つ日々が続いた。
離婚をきりだされたのはそんな時だった。
好きな人が出来たので別れて欲しいと言われた。お互い32歳だった。
相手の男もやってきて頭を下げられた。27歳か28歳の若い男だった。彼女の同