歩兵義昭
2022-04-23
栄興3年、世界各地で紛争が起き経済は混乱、また異常気象が重なり、日本も無事ではすまなかった。
二つの勢力の対立により、日本も内戦状態に突入し、中部地方を中心に激しい戦いが続いた。
義昭は東日本共和国の兵士として、愛知県の前線にいた。一週間前に行われた真日本独立国との戦いで勝利したが、以前敵兵士も残っており、敗残兵狩りの作戦に参加していた。
それにしても疲れた、義昭は思った。二日は寝てないだろうか。約20キロの装備と小銃を持ち、道なき道を歩いていた。
6人の遊撃隊の仲間もおそらく同じで、必要以外なことは口にしなくなった。
義昭たちは小さな町にたどり着いた。この民家の何処かに敵兵が潜んでいると思うと、義昭は疲労も忘れ緊張した。
少しずつ散策しながら進むが、幸い敵はおろか民間人の気配もなかった。ここは先の戦いから数キロしかないので、おそらく民間人は西へ避難したのだろう。