アネモネ 2
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平成も終わりに昭和の終わりの頃の話をするのも「なんだかなあ」ですが、いやならスルーしてください。
「ナイ〇ですよ」
が流行語〇賞だった某年4月、マンモス大学卒の私がUターンで就職したのは地元の企業でした。
「さとみさん。えむお君のことよろしく頼むわね」
と上から言っているのは、スッピンは今や都市伝説の文子さんです。
「お〇んこしてえんだっぺ」
机の上を雑巾で拭きながら
「アネモネ」
と私に話しかけてきます。
『いいから早く机空けろよ』
文子さんの机が今日から私の職場になるので。
「アネモネって花ですか」
「姉もねえ」
ぷっ
さとみさんがちょっと吹きました。
「お世話になります」
「お世話はちょっとできないわね」
ちょっと厚めの唇が魅力的なさとみさん。
聞けばすでに3人子持ちの30歳。
『若い子。若い子はいないのか