優良さんと山田くん②
2010-12-29
「いってきます!」
「いってらっしゃい真さん」「いってらっしゃい、おにーさん」
いつもなら真を送る声は一人。だが、今日は山田の声がそこに重なった。
「じゃあ、出来るだけ早く帰ってくるからね、優良さん。山田君もよろしく」
快活に告げる真に二人も笑顔で返すが、内心は穏やかでなかった。
(山田君とふたり・・・)(おねーさんとふたりきり・・・)
二人の頭に、昨日の様々なことが思い浮かんだ。
「さ、さーて、俺も休んでばかりいられないんで何かしますよ」
山田は自分の妄想を振り切るように必要以上に張り切って行った。
「そ、そうね。せっかく若い男の人がいるから力仕事を頼んでいいかしら?」
「お安いご用です・・・でも、その前に一つ気になったことがあるんですよ」
「どうしたの?」
「実は・・・・」&nbs