残酷な領主様
2008-11-16
その日の謁見の間には、下座とはいえ不釣合いな少年がひれ伏していた。
「……で?」
この季節になると珍しくない光景だ。
返答はだいたいわかっているが、領主の女は少年に問う。
「わ……我が家では今年の税が支払えなくて……その……
蓄えもなければ、お借りしている土地以外に財産もなく……くっ」
「それで、来年まで何もなしに、阿呆のように私に待っていろとでも?」
「め……めっそうもございません! ……ですが、先ほども申しましたように、
私どもの家にはお金などございません……うっ……。
そ、そこで……かっ、代わりといっては何ですが……これを……」
少年は顔を伏せながら起き上がり、震える両手を差し出した。
赤いベルベットの布の中に、薄桃色の丸いものが2つ乗っていた。
「なんだ、これは?」
「わ……私の……おと、男とし