煙草の臭いのする朝
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私はグミ。c学二年生です。
陽気な母と、無口でガンコな職人肌の父との三人家族です。
父はちょっとコワい顔で、あまり私には話してこないけど、私から話しかけたり、甘えてくっついたりすると、いつも優しい笑顔を見せてくれるので大好きです。
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春になってきたころでした。
私の部屋に、おかしなことが起きはじまめたんです。
明け方にふと目を覚ますと、あたりに煙草の臭いをかすかに感じるんです。
父も母も、煙草なんか吸わないのになぜだろう……
ふと思ったのは、芥川竜之介の小説にあったひとくだりです。
女性の霊媒師が、ある詩人の霊を呼び寄せたら、その詩人が吸ってた強い煙草の臭いが霊にもしみついていて、何度も嘔吐した……
うわーっ、私が眠ってるうちに誰かの霊が、煙草の臭いを残していくのかしら。
私は、正体を確かめようと思いました。
使っていないハードディスクデッキに、古いビデオカメラをつないで、ベッドを見下ろす所にセットしたんです。
そして、私が眠ってる時のよう