「防衛省の『天皇』」って、あんまりな言い方じゃない?
2007-12-05
軍需専門商社「山田洋行」元専務から見返り目的の接待を受けたとして、防衛省の守屋武昌・前事務次官が逮捕されました。最近の新聞をめくっていると、この事件に関する記事で、ある表現がやたらと目に付きます。
「『防衛省の天皇』と言われた官僚トップの汚職事件」(朝日)、「『防衛省の天皇』と呼ばれた大物次官の接待疑惑」(毎日)、「『防衛省の天皇』と呼ばれた夫を尻に敷きながら」(産経)(いずれも下にリンク)
この「○○の天皇」という表現、いまに始まったわけではありませんが、目にするたび、ちょっとお気の毒じゃない?という気がします。
各紙はおそらく、守屋容疑者がいかに絶対的な権力者だったのかを示したいのでしょう。自分たちが言っているのではなくそう言われているのだ、という体裁とはいえ、「天皇」という2文字に、たとえ理不尽な指示であっても従わなくてはならない存在、機嫌を損ねないように細心の注意を払う必要がある対象、などの意味を込めていることが読み取れます。
各紙の表現は「防衛省という組織に絶対的に君臨した存在=