死の淵から その1 -亀裂-

開く
2013-08-24

この体験談は約 16 分で読めます。

ふと外を見ると元気のいい子供と、車椅子のおばあちゃんが仲良く遊んでいます。

病室のベッドからは、妻が働いているスーパーがよく見えるので調子の良いときは外を見るのが私の日課になっています。

小さい頃から少し体が弱く心臓に持病を持っていたことから病室のベッドで寝ることに慣れているとはいえ元気に働く妻をこの手で抱くことも出来ず日々悶々と窓の外を見る毎日に寂しさを感じていました。
妻と離婚すればこんな思いを感じることもなく一人で死ねるのだろうか?と考えてみるのですが、眠りにつくたびに妻とのことが思い出されやはり妻を愛していることを再度思い知るのでした。
考えてみると妻と結婚してからの私は、今までに無く元気で妻や子供の顔を見るたびに『まだ死ぬことは出来ない』との思いで頑張ってこれたのだと自分自身そう感じていました。

妻の諒子と結婚したのは26歳の時もう18年前のことになります。
当時私は心臓の持病に悩まされながらも技術系の仕事に就き、なんとか日々暮らしているような状況でした。
それな


お勧めの体験談