俺に惚れてた同級生からの手紙・後編
2015-09-11
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(あれっ、似てるな!)
あるスポーツイベントの取材で千駄ヶ谷駅の改札を出た時だった。
三つほど向こうの改札口に向かって小走りで駆け抜けた女性。
(他人の空似か?)
振り返ったがその女性はもう人波に紛れて見えなくなっていた。
千紘に似ていた。
千紘と別れて10年。
俺は一応そこそこの大学に行ってたおかげで大手マスコミ(M新聞社)に就職することができた。
取材や何やらで女を作るどころではなかった。
仕事がしんどくて風俗関係に首を突っ込むこともしていない。
いつの間にか俺は女と無関係な生活を強いられ、またそれに甘んじることが続いて、ここ3年ほどは朝立ちもなくインポの手前になっていた。
ふと気づいたらとっくに30を過ぎていた。
実は、俺には父親の知り合いの紹介で付き合い始めていた女性がいる。
別に好みのタイプでもなかったが、30過ぎで独身の子を持つ親同士の思惑が一致したらしく、結婚を前提(俺は全くその気が無かった