湯治場での出会い

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2011-07-29

田舎の鄙びた温泉で1年の疲れを癒してきた。
嫁や子供たちも大喜び、嫁はおせちの手間が掛らずに女王様気取りだ。
実は僕、結婚直後に豪雨の濁流に転落して首から下が人が見てぎょっとする傷だらけだ。
普段は遠慮して家族風呂で我慢している。
嫁も九死に一生を喜んだし、子供たちは父親の武勇伝を知っているので自慢の傷だ。

2日目だったか、寝静まってから急に喉が渇いて冷蔵庫から冷茶をゴクゴクと。
もう深夜で大浴場は誰も入っていないだろうと、思い立って一人で向かった。
湯気が煙る静まり返った無人の大浴場、
湯口からちょろちょろ流れ出る音と後は外の渓谷の流れの音だけが。
大怪我する前以来の大浴場で浴槽の広さを泳ぐ真似をしたりして久々に楽しむ。
浴槽の梯子をして風情を楽しんでいると少々のぼせてきた。
向こう側が渓流に沿った露天風呂、思ったほど寒く無くて心地よい。
湯口の所が丁度椅子の様な形で座ると暖かくて心地よい、
渓流の音を聞いてい

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