初めての不倫体験⑥
2009-04-12
『そろそろ十条だよ。どこらへんで降ろせばイイ?』
十条の駅へと向かう道で私は恭子に言った。
『途中にサンクスがあるので、そこで結構です』
呂律がまわっていない。大丈夫なのか。
するとスグにそのサンクスが見えてきた。
運転手に言って、そのサンクスの前で停めた。
『藤村さん、着いたよ。サンクスの前に着いたよ』
虚ろな目でキョロキョロし、目的地だと認識したようだ。
外に出て恭子を促した。
恭子は『よいしょ...よいしょ...』と可愛く呟きながらタクシーから降りた。
目の前に立った瞬間、恭子はよろめいた。
『大丈夫??』
私は恭子の腕を掴んだ。
『はぁ~い、大丈夫ですよ~』
全然大丈夫じゃないじゃんか。
立ってるのもままならない。
仕方がない。家まで送っていく