食戟のソーマ
2021-01-01
THE BLUEが幕を閉じた数日後のある日、えりなは学園の誰もいない調理室に足を踏み入れた。
「こんな所に私を呼び出して何のつもり? 幸平君。」
えりなを待っていたのは幸平創真だ。何かの調理をすべく、材料類が一式そろっている。
「来たな、薙切。今日はお前に最後の勝負を挑むぜ。」
「最後? この前、THE BLUEで私に完敗したじゃない? もう最後の勝負は終わったわよ。それに、こんな誰もいない所で何を勝負するの? 審査員もいないじゃない。」
「誰もいない場所じゃないと薙切が都合悪いんじゃないかと思ってな。」
「どういうことよ?」
「ひとつ不思議に思ってたことがあるんだけどよ、薙切家の人間って美味い物を食うと<おはだけ>とか<おはじけ>になるだろ? お前もそうなるはずなのに、妄想の世界は置いといて、現実の世界では薙切は一度も<おはだけ>すらしてない。俺や仲間たちの料理を何度も口にしたにも関わらずにな。何か仕掛けがある