蛞蝓坂異聞

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 それは坂というより崖といったほうがよかった。

 むかし、這って行かなければ上っていけない坂道だったから、そんな名前が付いたんだろうよ。

 地元の人はそう言った。

 あたしの唇は、お客さんのカエルのような白く肥ったお腹を這い上がるようにして乳首に到達した。

 男性の小さな乳首を舌で執拗に舐める。

 

 「雨は降ってますか」

 「いや、今日は降ってないよ」

 「梅雨明けですかね。今年はがっつり降ったなあ」

 
 男性は目を閉じていた。

 朝、居間のサッシ窓に蛞蝓が這っていた。

 
 ちゅぷちゅぷ唇をゆっくりと男性の下腹部へと移行させていく。

 「少し立ってきましたよ」

 「少しやる気が出てきたよ」

 
 「ああ、でも股間の息子は反抗期なんだ。そっぽを向いてしまうんだよ」

 
 今度は、その股間の一物をお口でケア。

 「あっ、あっ」

 ぬあおっ


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