One of kunoichi ~あの空が待っている~
2010-01-15
うちは母子家庭。
あたしが小1の頃に離婚した。でも幼稚園の頃から既に両親は別居していて、父親と一緒
に住んでいた記憶はほとんどない。
両親が離婚すると聞いた時、あたしとお兄は母親に引き取られる事に決まっていた。あた
しはまだ小さくてただ訳も分からずおかんに「なんでお母さんにはあたしもお兄ちゃんも
いんのに、お父さんは独りぼっちなの?」と聞いた。
昔の事なので母親の返答は覚えてないが、納得がいかずあたしは家出を計画した。
もちろん、そんな小さい頃に行く宛てなんてあるはずもなく、父方のおばぁちゃんちまで
まだ補助輪のついた自転車で行った。
ただおとんに会いたかった。寂しい思いをしていないか気掛かりだった。両親に考え直し
てほしかった。
偶然にもちょうど父親がおばぁちゃんちに来ていた。だがすぐにおかんに居場所がばれ、
間もなく迎えにきた。
帰りたくないと喚くあたしを後部座席に乗せ、車をだす母。後ろの窓から外をのぞくと、