ホコリ臭い布団の記憶
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両親は共働きだった
父が仕事変わる、といった言葉を覚えてるが、
詳しくはわからなかった
失業かなにかで、家族が途方にくれて、そんな感じの様子
よく覚えてない、古い家で、厳しい冷え込みの冬の日だった
こたつで、知らない大人の男の人2人、母と自分と4人での夕食
子供の自分には、ご馳走に思えた
母が流し台や冷蔵庫を甲斐がいしく往復する
お酒飲んで騒ぐ大人たちは、楽しそうだったが
よく見ると、酔った大人というのは、とても悲しそうな表情にも見えた
その隣の物置みたいな部屋に、母と自分と2人分、布団が敷いてあって
ホコリ臭い布団にはいって、寒さで震えながら1人で寝た
目が覚めた、襖の向こうには、母と知らない男の人がいる
ごそごそ、動く音、はぁはぁ、はぅっ、大人の女の息づかい
ひーっひっひっ、男の含み笑いも聞こえて
寝る