「あたしの弟」小学校時代

開く
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「わーっ、返してよぉ!」
「きゃっはは。ほーら、ここまでおいでー」

あたしは弟が手にしていた紙をひったくって
駆け出した。大あわてであたしを追いかけてくる。

バタバタバタ。
ドタドタドタ。
ばたんっ。
ガチャ。

部屋中を駆け回った挙げ句に、あたしは誰もいない
おとーさんの書斎に入ってカギをかけた。

ドンドンっ。
ドンドンドンっ。

「お姉ちゃん、開けてよっ! 開けてよーっ!」

弟は半べそをかきながら書斎のドアを叩く。

「なになに…、『ぼくは、超機動ソルジャー グレート
 ファイターの大ファンです』」

あたしはわざと大きな声で、紙に書いてある文章を
棒読みで朗読する。

「読まないでよーっ! 返して、返してぇー」

涙混じりの声で弟は、しつこくドアを叩き続けている。
けれどあたしはお構いなしにいじわるを続ける。

「『先週の”絶体


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