たちんぼ

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2006-04-15

売春婦1  (半分、実話・体験談)

「あなたは、幾ら?」
「は?」
 何を言われたのか意味が分からず、わたしは声の主の顔を見上げました。
 四十代半ばくらいの男性でした。焦茶のスーツを着こなし、身なりも言葉
遣いも落ち着いて、品の良さを感じさせていました。
「あなたを買いたいんです。幾ら払ったら、付き合ってくれますか」
 穏やかな微笑みを浮かべる男性の言葉の意味を理解したのは、一瞬の間の
後でした。
(この人、私を売春婦だと思ってるんだ…)
 不思議なことに、怒りは湧いてきませんでした。

 誤解されても仕方のない状況だったからかも知れません。横浜の伊勢佐木
町通りの一本裏の歓楽街。わたしは同窓会から一人抜け出し、路上で酔いを
醒ましていたのです。
 誰が決めたのか、同窓会の会場は横浜でも有名な老舗の牛鍋屋さんで行わ
れました、店がある通りは、女性が1人で歩くようなところ

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