温泉旅行にて…
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‥‥チチチチチチ
(う、うぅん‥‥もう朝?)
伸びをしながら、ぼんやりとした頭の中で呟いてみる。
部屋に差し込む眩しい朝の光と、かわいい小鳥のさえずりが起こしてくれたのかな。
寝起きの気怠い体を持て余して、目を閉じたまましばらくまどろむ。
(‥‥どこ‥だっけ?)
布団もかけずに腕枕でぐっすり寝込んでたみたい。
見慣れぬ畳の部屋、読めない掛け軸のかかった床の間――。
そう。そうだった。
つかさと温泉にきてたんだ。
ここは旅館の一室。
ふたりとも裸のままで、夕べの激しさの後がそこらここらに残っている。
脱ぎ散らかした浴衣や帯に混じって、くしゃくしゃに丸められたティッシュが生々しくて気恥ずかしい。
(久しぶりだったから‥‥)
ゆうこが夏休みの間、仕事が忙しくてほったらかしだったお詫びにと、つかさが温泉旅行に誘ってくれた。
部屋に小さな露天風呂のある立派な老舗旅館で、残業手当がなかったらこんなとこ泊まれないよって。
夕べはつ