僕の夏

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2012-05-24

情けないことに、僕は死んでしまいました。
ここだけの話ですが転落死です。
お恥ずかしながら僕はある女性に恋をしていました。
彼女の名前は由紀といいます。
その語感どおり雪のように綺麗な白い肌をした女性でした。
僕は一目見て、恋に落ちたのです。
由紀は大学二年生で、近所の書店でアルバイトをしていました。
無類の読書好きの僕は、これは紛れもなく運命だと思いました。
僕と由紀は結ばれるためにここで出会ったのだと、そう確信したのです。
僕は勇気を振り絞って、彼女に手紙を渡しました。
とは言っても手渡しでは恥ずかしがるだろうと思い、自転車のカゴへ。
アルバイトが終わり、僕の手紙に気付いた由紀は、それを鞄に入れて帰りました。
僕は幸せでした。
これで彼女に想いが伝わったからです。
明日からは晴れて、運命の相手である僕との幸せが彼女に待ち受けていました。
ですが、彼女からの返事はありませんでした。

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