夜のこと
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夜中にふと目が覚めた。
隣に寝てたお姉ちゃんがいない。
あた しは寝ぼけた目で部屋を見回した。
常夜灯にぼんやり浮かんだ姉の姿を見つけた。
姉は、ふすまの隙間から兄の部屋を覗いているようだった。
「お姉ちゃん、なに見てるの?」
「しっ」怖い顔で姉は口に指を立ててあたしを戒めた。
どうも、兄の部屋で何かがあるようだった。
兄は受験生でいつも遅くまでお勉強をしていた。
だから、ふすまの隙間を通して、兄の部屋からはあかあかと光が 漏れていた。
あたしは、姉が覗いているものを見たくって、そばに寄り、頭を割り込ませた。
「ちょ、ちょっと、だめだってば、みっちゃん」
姉はあわてて、あたしを隙間から遠ざけようとする。
「なによ」
こそこそ声で、二人は争った。
「声を出さないで。静かに」
「わかったから、見せて」
あたしは許しを得て覗くことができた。
兄は、勉強机に座って、手で