やさしい母のプライベートレッスン・第3話
2021-07-02
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木枯らしに背中を押されるように玄関の扉を開ける。
「今夜もお父さん帰ってこなぁい!遊びに行くわよ!」
僕の顔を見るなり元気いっぱいの声。
(へっ?)
いつもと変わらない明るい笑顔。
いつもと変わらない若々しい装いで、母は洗濯物を両手に抱えてパタパタ。
いつもと変わらない我が家の風景がそこにあった。
どうしてそんな笑顔ができるかな?
まだ生々しく残っている滑らかな舌の感触。
耳に残る、切なげな吐息の余韻。
僕を悩ませ続けた、あの寂しそうな笑顔はいったい何だったの?
「今日はいいよ」
なんだかすごく馬鹿らしくなって、投げやりに答えていた。
今夜も父は遅いらしい。
父のいない週末は僕を連れて遊びに行くのが母の楽しみ。
行くのは決まってカラオケかゲームセンター。
観たい映画がかかっているときは映画館にも行く。
「どうして?」
立ち止まって振り返り、母が不