幽霊の掟

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2015-06-06

「痛っ」 
ドンッと背中を押され僕は前のめりに崩れ落ちた。 

「っと、何するんだよ!さち・・・・・・さち?」 

振り返ると、そこには粉々に砕け散った植木鉢と横たわったさち。 
そしてそのさちの真っ白な身体を包み込むように広がっていく真っ赤な鮮血。 

「よかった。怪我ない?」 
そういってさちは震える口角をゆっくりと緩めた。 

「なんなんだよ!おまえ幽霊だろ!なんで幽霊のお前が血流してるんだよ」 

そう、さちは僕にとりついた幽霊だった。 
いつも僕の背中越しに僕をからかっては喜んでいた。 
「うわ、成績悪いのね。こんな頭でよく大学受かったわね」とか 
「ホントに不器用ね。こんなまずそうな料理食べてたら、お腹壊すよフツー」とか 
僕をいじめては得意げ

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