いまそこにある危機
2013-04-09
北朝鮮が建国以来、金王朝の独裁国家であることに違いはないが、先代の金正日と現在の金正恩は、まったく異質の指導者だ。
初代の金日成主席は、主体思想という「主席崇拝思想」でもって、朝鮮労働党を完全掌握することによって、北朝鮮を統治した。
その金日成主席が1994年に死去すると、2代目の金正日総書記は、先軍政治という「軍事優先政策」でもって、朝鮮人民軍を完全掌握することによって、北朝鮮を統治した。
その金正日総書記は、2011年末に突然死した。
続いて北朝鮮は、3代目の金正恩第一書記の時代に入った。
金正恩は、経済建設という「経済発展戦略」でもって、内閣を完全掌握することによって、北朝鮮を統治しようとした。
だから昨年6月に、「6・28経済措置」を出したのだ。
だがこの戦略は、早くも昨年夏をもって、完全に破綻した。
最大最強勢力の120万人民軍が立ちはだかったからである。
中国の改革開放政策は、鄧小平という強力な指導者の