牛舎で
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私が育ったのは、北海道の北の方。実家は酪農を営んでいました。
小学生になってからは学校に行く前と帰ってきてからの手伝いが、当たり前のように毎日ありました。
両親と兄、私、祖父母で毎日です。
朝は、途中で切り上げて学校へ行きます。夕方は6時くらいまで手伝いをして、両親はそれから1時間ほど農作業があります。
時々、牛舎へ父や母に用事があって行くことがありましたが、時々、祖母が「ばあちゃんがしてあげる。今は行かないで」と言うことがあり、どうしてかなと思いながらも深く考えることはありませんでした。
そして、小学6年生の時の夏休みです。昼の仕事もあるのですが、時々「今日はあんまり仕事がないからいいよ」と言われることがありました。
昼食を食べ終えた頃、父に知人から電話がありました。まだ牛舎から戻らないことを伝えても、父の知人は呼んできてくれといいます。
面倒くさかったのですが、仕方なく牛舎へ。
ほとんどの牛が放牧されていたので静まりかえった牛舎の中。
人のいる気配がなかったので、大声で呼ぼうか