白き龍神
2008-11-13
俺が中学を卒業し、本格的に修行を始めた頃。
親方の補助として少し離れた山の頂上にある湖の畔に立つ社の修繕に出かけた。
湖の周りには温泉も有り、俺達は温泉宿に泊まっての仕事となった。
そのお社は湖に突き出した小さな岬の突端にあり、
社といっても小さなものだったが、妙に厳粛な雰囲気を漂わせていた。
見積もりと計画は親方が予めして有ったので、
親方の指示に従いながら初日の準備作業は順調に進んでいった。
二日目の朝、親方と二人で作業に掛かろうとすると、
お社からちょっと離れた茂みに小さな祠が有るのを見つけた。
ずっとほったらかしの様で腐りかけ、朽ち果てている。
祠の中には石で出来た小さな龍の像が収められていた。
俺は親方に報告し、どうしましょうかと尋ねた。
「祠の事は仕事で頼まれてねぇな。○○、おめぇはどうしたいいんだ?」
「このままじゃ、龍神様が可哀想ですから、修繕したい