生垣の穴
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マンションの1階に住んでます。そのマンションの1階住人宅だけ、高い生垣に囲まれた狭い庭が付いてます。洗濯物も満足に干せないくらいの狭さです。私は、専業主婦の妻と二人暮らしで、小さな印刷会社に勤めてます。そんな暮らしが、数年前に突然始まったコロナ禍のせいで一変しました。印刷デザインを担当しているのですが、自宅でテレワークを命じられたのです。それまで、昼間は妻がひとりで暮らしていた自宅に、四六時中私が居座ることになったのです。私の部屋のすぐ外に、隣家と境界の生垣があります。PCでのデザイン作業に疲れてすこし休憩しようと、外の庭に目を向けました。すると今まで全く気づかなかったのですが、生垣に人間の顔くらいの大きさの空間を見つけました。切り取ったのかあるいは無理に枝葉を押し分けたのか判別できませんが、隣家との境目に穴が空いていたのです。なんだろうと不審に思い妻に尋ねました。妻「入居した時からあったよ。何で空いてるのかはわからない。」私「管理人には話した?」妻「話したけど、よその家でも大なり小なりの穴が空いているらしく、全然問題にされなかったよ。」私「ふーん。何だろう。たとえ小さくてもあの穴からお互いが覗けちゃうよ