一目惚れしていた女の子が婚約してしまった後で・後編

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2022-06-17

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タクシーの運転手に行き先を告げた後、俺たちは黙って窓の外を見ていた。
俺はこの後に起こるであろうことを考えながら複雑な気持ちだった。
たぶんユリちゃんもそうだったんだろう。
お互いこうなったことに後悔はしない約束だ。
でも、後悔とは違った罪悪感・・・いや、葛藤かな・・・。
今付き合ってる婚約者や彼女よりも、お互いを本気で好きになりかけている自分の気持ちを整理していたんだと思う。

ユリちゃんの手を握り、見つめあう。
ユリちゃんは黙って俺に身を預けてきた。

ホテルに到着した。
フロントには幸い従業員がおらず、俺はユリちゃんを先に部屋に向かわせる。
フロントでキーを預かり、エレベーターで部屋に向かう。
不安と期待、緊張・・・。
色んな気持ちにひとまず整理をつけた俺は、ユリちゃんが待ってる部屋へ急いだ。

「ユリちゃんお待たせ」

俺に気づいたユリちゃんは、さっきよりも吹っ切れたような表情をしていた。


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